大阪大学和文英訳

2021 Ⅳ(A)

私が「学ぶことって楽しいな」と思えるようになったのは、大学を卒業して社会に出てからです。

It was only after I graduated from college and started to work that I began to enjoy learning.

 

一度学びの楽しさを味わってからは、やみつきになりました。

Once I found learning enjoyable, I came to love it.

 

学べば学ぶほど、いままでわからなかったことがわかるようになり、それによって自分の視野が広がります

The more we learn, the more we know what we did not, which broadens our horizons.

 

知らないことや新しいことに出合うと好奇心が刺激され、もっと多くのことを学びたくなります

Encountering something new stimulates our curiosity, encouraging us to learn more.

 

大阪大学2020年

(A) 過去の多くの哲学者は、同時代の悲劇を目にするたびに、私たち人間の愚かさを告発し、そのような悲劇が二度と繰り返されないために、どのように私たちの愚かさを克服するべきかを考え、話し、書いてきました。

 

人類はこれまでに高い授業料を払って、様々な失敗からの教訓を得ているのです。

 

過去の哲学者がどのような問いに向き合い、どのように考えてきたかを知ることは、とりもなおさず、私たち自身が、当時の人間と同じような愚かな過ちを再び繰り返すことのないよう、高い費用を払って得た教訓を学ばせてもらうという側面があります

Knowing what questions past philosophers faced and what they thought about them is important for us to learn the lessons they gained at considerable sacrifice in order for us not to repeat the same foolish mistakes as people of those days made.

 

(B)(イ) 「道聴塗説」という言葉があります。人から聞いたことを自分では理解しないで、そのまま他の人に伝えるということです。ある人の考えを聞き、なるほどその通りだと深く納得しても、他の人から違うことを聞けば、今度はそれを鵜呑みにして人に伝えるのです。

本を読む時も、著者の考えをそのまま無批判に受け入れ、その内容について自分では考えないで他の人に伝えるのでは本を読む意味はありません

It is true of reading a book. If you uncritically accept the author’s ideas as they are and covey them to others without thinking about the contents for yourself, reading a book is meaningless.

大切なことは、読書を通じて、自分のそれまで持っていた考えや生き方を振り返って吟味し、さらには、自分の生き方を見直すということです

What is important is that, through reading, you look back and reflect on the ideas and lifestyle you have had, and moreover, reconsider the way you live your life.

 

本をどう読むかは生き方そのものを表しますが、本の読み方が変われば、生き方も変わってきます。

 

(ロ)歴史上の事実について書くのは傲慢なことだペンを持つ人間は、既にすべてが終わっている特権的な場所から、実際には見ていないことを、まるで見てきたように書くのだから

It is arrogant to write about a historical event, because the writer commands a privileged position after everything is over and writes about what they didn’t actually see as if they had witnessed it with their own eyes.

 

大阪大学2019年

(A) 油井にとって宇宙ステーションから見た地球や星々は、想像をはるかに超える美しさであった。

「あの薄い窓を隔てた外側は死の世界なんですね。

宇宙の闇はあまりにも深く、そして、その死の世界に言葉にならないほど美しい地球があるんです。

The darkness of space is extremely deep, and the earth, which is beautiful beyond description, exists in the world of death.

とりわけ私にその感情を呼び起こさせたのは、地球を取り巻く大気の薄さでした。

It was the thin atmosphere around the earth that inspired that emotion

周囲は真っ暗な死の世界であるのに、地球は生物で満ち溢れている。」

Surrounded by the outright darkness and lifelessness, the earth is full of living things.

 

(B) (イ) 言葉は必ず、誰かから習っているのであって、その人だけのユニークな部分は、ほぼゼロなのです。使う言葉も、だいたい辞書に載っているような、決まった意味のものを使うことになっている。文法も、ほかの人がわかるように言わなければならないから、特に変わったところはない。語彙も文法も、その人だけの独自名ところは、まあ、ないのです。誰でも言いそうなことばかり毎日言っているのに、なぜ、その人独自のユニークさが現れているのだろう。

People usually use words which are in a dictionary and have fixed meanings.

In addition, grammar isn’t different because they have to speak the way others can understand.

The use of vocabulary and grammar rarely varies from person to person.

Though they speak almost the same things every day, why does their uniqueness appear?

 

(ロ) 自分が読みたい本を読む、これが私の読書の鉄則ですが、その際に、間口をできるだけ広くしておいたほうがいいとも思っています。本との出会いは、ある種、宝物を掘り出すようなものです。宝はどこに埋まっているかわかりません。いつもと違う道を歩いていて、石ころに蹴躓いて倒れたら、そこに宝が落ちていたなんてこともあるかもしれない。それゆえ、少しでも興味のある分野の本なら、当面の仕事や勉強に役立たなくても、まずは手に取ってみるくらいに「心を開いていること」が大切です。

It may happen that, while walking along a different street, you stumble on a stone and fall down, to find a treasure there.

Therefore, it is important that you open your mind to take a book in the field that interests you, even if it is not useful for your work or study now.

 

大阪大学2018年

(A) こんな経験はないだろうか。独りでいると寂しいのに、あまり長い時間、皆で一緒にいると、どこか鬱陶しくなる。人類の場合、社会をつくることが生物学的に決まっているわけではないので、集団をつくってともに生きることは自然なことではない。そのために人類はどのような工夫をしているのだろうか。

You feel lonely when you are alone, but you become somehow annoyed when you spend too much time with others.

Human beings are not biologically predetermined to build society, so it is not natural for them to form a group and live together.

 

(B) (イ)文化とは、人が自ら住んでいる地域内の生存の手段として形成したもので、個々人が集団から継承した社会的遺産を意味する。ある特定の文化内で、我々はコミュニケーションという手段を通して他者との関係を築き、自分に与えられた仕事を遂行し、目標を達成している。そして1つの世代から次の世代への文化の発展、維持そして伝達や、複数の世代にわたる文化的目標と文化的価値をより堅固なものにするという意味においても、コミュニケーションは重要な役割を果たしている。このように、我々が文化と文化に則した行動に対する影響を理解する上で、コミュニケーションは特別な役割を果たしているのである。

In a particular culture, we build relationships with others, carry out the jobs given to us, and achieve our goals through means of communication.

And communication also plays an important part not only in developing, maintain and passing on culture from one generation to the next, but in strengthening cultural aims and values over generations.

 

(ロ)科学者が謙虚に自然現象の謎を解き明かして、「法則」に対する認識を深めるとき、法則の先にある奥深い世界がとらえられる。そして、それまで無関係だと思っていた複数の法則が自然現象の異なる表現であって、実は相互に関連し合っていることが分かれば、一段深いレベルでの理解に達したことになる。そのとき、自然は全く新たな形で人々の前に現れるだろう

And if they realize that several principles that they thought unrelated to one another are different expressions of a natural phenomenon and are in fact related to one another, it follows that they have reached a deeper understanding.

At that moment, nature will appear in a completely new form before them.

 

大阪大学2017年

(A) 幼稚園でほんとうに自由遊びをさせている幼稚園は、保護者の評判が悪いんです。

「先生がなにもしてくれへん」と言うて。

ところが、ほんとうに子どもに自由に遊ばせている先生というのは、すごいエルネギーがいるんです。

子どもはいろんなことをするから、危ないと思いながら、ずっと見守っていなければならないでしょう。

これは、ある程度、腹がすわっていないとできない。

It takes a great deal of energy for a teacher to let children play completely freely.

As children will do various unexpected things, he or she has to keep watch over them all the time, being afraid lest something dangerous happen.

 

When you are about to die, if you could die listening to only one of the many masterpieces you have loved as a farewell gift, which one would you select?

Lovers of beautiful transient music, including me, must have asked themselves this question at least once and felt both happy and sad for a while.

 

(ロ)変化をどう受け入れていくかで人生が変わってきます。

変化を拒絶すれば、思いどおりにならない現実に直面し、ストレスを感じることでしょう。

「昔は良かったのに」といつまでも悔やんだり、懐かしんで過ごすことになります。

「変化は当たり前のこと」と柔軟に受け入れていけば、人生の流れと調和しながら生きることができます。

If you resist changes, you are likely to be faced with realities that don’t proceed as you want them to, and feel stressed.

And you will end up living your life filled with regret and nostalgia for the good old days.

 

大阪大学2016年

(A) 人間の精神状態が環境に大きく左右されてしまうのは直感的に理解できるし、あまりにも自明なことのように思われるが、それを科学的に証明するのは実際のところ容易ではない。

It is intuitively understood and seems too apparent that our mental state is greatly affected by our environment, but actually, it is not easy to prove it scientifically.

 

しかもそれが健康状態と密接な関係があることを立証するとなると事はいっそう複雑である。

And when it comes to proving that it is closely related to the state of our health, things become even more complicated.

 

 

(B)(イ)

現代の若者にとって重要な価値を帯びているのは「コミュニケーション」と「承認」である。

What is highly valued by young people today is “communication” and “approval.”

 

それは多くの若者の幸福の要因であるとともに、それが得られない若者にとっては決定的な不幸すら刻印する。

These two are not only factors influencing happiness for many young people, but they can also be causes of irreversible misfortune for those who cannot attain them.

 

たかがコミュニケーションの問題が幸・不幸に直結してしまうのは、「現状が変わらない」という確信ゆえである。

The reason why the trivial problem of communication leads directly to their happiness or unhappiness is that they assume that their current situation will remain “unchanged.”

 

(ロ)文字が文化を進めるのに大きなはたらきをするのはたしかであるが、文字があらわれたために失ったものもある。

そのひとつが、記憶力である。

文字がないと、大事なことは、記録して保存するということができない。

すべては頭の中へ刻み込まれ、記憶として保持される。

記憶はきわめて重要な保存の手段、唯一の方法であった。

 

 

It is true that writing plays a major role in developing culture, but some things have become lost with its appearance.

One of them is our ability to remember things.

If you didn’t have any writing system, you could not record or preserve important matters.

 

大阪大学2015年

 

(A) 今私たちのまわりにいるバクテリアは38億年という歴史を持つ存在なのです。

Bacteria around us have existed for 3.8 billion years.

 

リスもヒトも同じこと、すべての生きものが38億年という時間がなければ今ここには存在しないという事実を忘れてはなりません。

We mustn’t forget the fact that, without such a long period of time, all creatures including squirrels and human beings wouldn’t be here now.

 

眼の前を小さなアリがはっていると、なにげなくつぶすこともあるのではないでしょうか。

When you see a small ant crawling in front of you, you may sometimes crush it for no special reason.

 

でもその時、このアリの中に数十億年という時間がある、それだけの時間があって、このアリはここにいるのだと思ったら、そう簡単にはつぶせなくなります。

At such time, however, if you think ants have a history of several billion years, you can’t kill them so easily.

 

いのちの重みという言葉には多くの意味が含まれていますが、このとてつもなく長い時間も重みの一つに違いありません。

“The weight of life” means many things, and this tremendous amount of time must be as important.

 

(B) (イ)

二つのことが問われている。

芸術作品には作り手と受け手がいる。

では、なぜ作るのだろう。

そして、なぜそれを求めて受けとるのだろう。

芸術作品は、必ずどこか理解を超えたものをもっている。

受け手にとってだけでなく、作り手にとってもそうだ。

作り手は、自分の理解をはみ出たものを自ら作り出してしまう。

しかもそれは余分な不要物ではなく、はみ出たそこにこそ、芸術の力と生命とが宿っているように思われる。

Works of art require both creators and appreciators.

But why do the former produce them and the latter seek and appreciate them?

All works of art have something incomprehensible not only to the audience but also to the creators themselves.

Artists create something beyond their own understanding.

And yet it is not unimportant or unnecessary, but that is the very part that contains the power and vitality of art.

 

(ロ)「歴史」と言われると、われわれはだれしも、なにか、わかったという気がする。

歴史は過去にあった事実だ、と考えるのが普通だ。

しかし、そう考えておしまいにしないで、もう一歩踏みこんで、それでは「過去にあった事実」というものの正体は、いったいなにか、と考えてみる。

そうすると、これがなかなか簡単に決まらない。

人によっては意見や立場が違うので、過去の事実はこうだった、いや、そうではなかったと、言い争いになりやすい。

However, instead of accepting the view without any more thought, you should go a step further and think what on earth those “past events” really mean, and you’ll notice that the question is by no means easy to answer.

 

 

 

大阪大学2014年

(A) 言葉以上におたがいを非常に親しくさせるものはありません。

Nothing allows us to be better terms with each other than words.

 

にもかかわらず、その言葉を共有しないとき、あるいはできないとき、知らない国のまるで知らない言葉がそうであるように、言葉くらい人をはじくものもありません。

If one doesn’t or cannot listen to another person, nothing makes them more distant with each other than words, similar to a completely unknown language of an unknown country.

 

際立って親和的にもなれば、際立って排他的になるのも、言葉です。

It is words that make us friendly or exclusive with each other.

 

(B) (イ)

文章を書く場合、多くの人がメモをとるだろう。

Many people take notes when they write sentences.

 

何も考えずに書き出すと、よほど書き慣れた人でないかぎり、考えが深まらなかったり、まとまらなかったりするのは目に見えている。

It is obvious that if you start writing without any plan, you cannot develop or organize your thinking unless you are very accustomed to writing.

 

考えるべき問題について、多方面からメモをとっておく必要がある。

It is necessary to make memos on the point in question in advance from many different angles.

 

それと同じように、会話する場合も自分の主張を本格的に語る前に、人に質問をしたり、出来事を確認したりする。

Similarly, when you talk with others, you need to ask them some questions and check facts before you fully express your views.

 

つまり探りを入れながら、だんだんと自分の意見をまとめていくわけだ。

In other words, you should gradually form your ideas by collecting materials you can refer to.

 

(ロ) 「知」、あるいは「知る」ということの根底にあるのは、ものを区別し、区別されたものそれぞれに名前を付け、それを明確な形で把握しようとする態度です。

Under “knowledge” or the act of “knowing” lies the desire to distinguish things, name each of them, and grasp them clearly.

 

Each of them must be important.

It is needless to say that such a desire is important.

 

2013年

 

(A) 電子メールで「しまった!」という経験をお持ちの方は多いかと思います。

 

郵送と違って、発送までにかかる時間が短い分、メールでは「出さなきゃ良かった」文面をそのまま送ってしまうのです。

Unlike regular mail, which takes long to post,

 

もちろん、こうした事態は以前にもありました。

 

手紙にせよ、印刷物にせよ、文字化した自分の考えやメッセージに後から違和感を抱くということは、しばしば起きます。

Whether it is a letter or a printed matter,

 

文章は所詮、モノですから、何となく自分の生の声を伝えていないように思えてしまう書き換えれば良かったと後悔する

After all, written words are mere objects, so we somehow feel that they don’t convey our true voice and regret that they have not been rewritten.

 

書かれたメッセージというのは、それだけ危ういのです

Thus, written messages are unreliable.

 

(B)(イ)過去を背負って生きざるを得ないのが人間だ。

We have no choice but to live with the burden of our past.

 

過去の積み重ねがいまの自分なのだから、過去から逃げ出していまの自分を語ることなどできない。

Since the accumulation of our past experiences has made us what we are, we cannot talk about ourselves without facing the past.

 

もしいまの自分を肯定できない人は、過去の出来事についても後悔ばかりが思い出されるのではないだろうか。

If we cannot accept what we are, you may always feel regret when looking back on what we have done.

 

反対に、いまの自分を肯定できる人は、過去の出来事についても受け入れられるのではないだろうか。

Conversely, if we can, we are probably able to accept our past as well.

 

人間とはおもしろいもので、そのときどんなに苦しんだことでも、時間が経つと「なぜ、あんなにつらかったのだろう」と思うから不思議だ。

 

たぶん、いまの自分を肯定できるから、過去の自分も肯定できるのだ。

 

それどころか、つらい経験も「あのつらい経験があるからこそ、いまの充実した自分があるのだ」と思えるのである。

 

(ロ) 問題分析や議論の方法を教わってこなかった学生に、「問題分析ができない」とか「自分の意見がない」と批判しても、それはないものねだりである。

If your students have never been taught how to analyze and discuss problems, it is of no use to criticize them for not being able to do so.

 

それはちょうど、まだ泳ぎ方を教わっていない学生をつかまえて、「なぜ泳げないのか」としかるようなものである。

It is just like scolding a student who has not yet learned how to swim for not being able to swim.

 

問題の原因を探り、歴史的経緯を調査し、可能性のある選択肢をクラスで議論する方法は、自然と身につくものではない。

 

大阪大学2012年

The route scientists take to reach the right answer is not the shortest or straightest one.

They are not afraid of making many mistakes.

This is because it is the only way to the correct answer.

Of course, they never forget to examine carefully the causes of their failures.

They usually learn from a lot of failures.

 

We sometimes come across writing that is grammatically correct, entirely logical, and well organized from the beginning to the end, and yet is not persuasive or impressive.

Such a text somehow lacks in appeal and vitality.

How can we make it livelier?

In terms of expression, an answer is to improve its rhetoric.

 

One of the major reasons may be that when you look at a picture, for example, there is no clear standard by which you can judge whether it is good or bad.

A painting has no equivalent of a correct answer in mathematics.

But is does not follow that you can evaluate paintings any way you like.

 

大阪大学2011年

(A) 長年の夢がかなえられることほどうれしいことはない。そのためには、たゆまぬ努力と不屈の精神がなければならないが、さらに、運も見方につけられるかということも夢の成就を左右しているだろう。

Nothing is more delightful than realizing our long-cherished dreams. In order to do so, we always need to strive and have an iron will. Moreover, their realization depends on whether we are blessed with good luck.

 

(B)(イ)人類のあり方を未来向きの姿勢で考えようとする人々の間で、「地球的」という形容詞がさかんに使われるようになってきたことは決して偶然ではないと思います。「地球社会」はもはやユートピアでも夢想でもない。むしろそれこそが、人類や世界の未来像を描くときに、われわれの直面するすべての深刻な問題を考えるさいの、われわれの思考の座標軸になりつつあるのです。

It is now obvious that all of us humans are on the way to unite globally. Whether it is good or bad, progressing science and technology are leading the whole world into the civilization, with all people heading for the globalization. Quite necessarily, the adjective “global” has been often used among those who think positively about how to live in the future. The “global society” is no longer utopia or dream, but rather, our standard of thinking about all serious problems facing us when having visions for us and the world.

 

(B)(ロ)鏡を右手に映してみると、鏡には左手が映っている。その逆に、左手を映せば右手となる。われわれは鏡の行うこの魔術にすっかり馴れてしまっているので、右手と左手が逆に映っていることにさほど驚かない。鏡を壁面に利用している明るい店に入って行っても、車を運転しているときにバックミラーを覗いても、特に奇妙な感じを受けない。おそらく、鏡に映った文字を読もうとして、初めて鏡の存在、鏡の行うマジックに気がつくのではないだろうか。

We see our right hand in the mirror as if it were our left hand, and vice versa. We are so used to this mirror’s magic that we are not very surprised to see our hands look reversed. We don’t feel it strange when we enter a bright store with mirrors on the wall, or we glance at the rear-view mirror while driving. Probably, only after we read letters in the mirror, we realize that there is a mirror and how strange its magic is.

大阪大学2010年

失敗を恐れていては何もできない。

When you dread failing [that you might fail], you cannot achieve [accomplish, attain] anything.

しかし失敗を完全に回避することはできない。失敗からこそ学ぶことができる。

However, you cannot completely avoid failing; rather, you can learn from your failures.

これまでの人生を振り返った時、順風満帆な時よりも、人生が思うようにならなかった時にこそ人生において大切なことを学んだということはないだろうか。

Looking back on [recalling] your life, didn’t you acquire the essence of life when you couldn’t have [get] your own way, rather than when you had no trouble.

 

文章を書くことは絵を描くことに似ていると思う。

I suppose that composing sentences is similar to painting pictures.

輪郭を直観し、あとは何度も修正しながら、全体に到達するまで線を加え色を重ねていく。

You grasp the outline by intuition, and then while modifying the original over and over again, add lines and colors to complete your work.

原稿に決められた枚数があれば、それがキャンバスの大きさ。

If the amount of your writing is restricted [limited], you will consider it as your canvas.

言葉の線状性をいったん破壊し、細部と細部の呼応をしかけたり、濃密さと希薄さのバランスを変えてみたり。

You can destroy your words arranged in line at first, promote the interaction between one detail and another, alter the balance between darkness and lightness.

まずまずの絵が見えてくるまで、いくらでも手を入れていい。

You may vary your work as many times as you like until a satisfactory picture comes in sight.

 

自然科学の知識なども、解明し、わかってしまうことによって、対象をつまらなくするものだと思うのは、間違いである。

We are wrong if we think that scientific knowledge deprives you of our interest in the object.

 

自然界のことは、解明されればされるほど、不思議さが増すばかりなのだ。

The more we learn about nature, the more mysterious it will be.

 

私たちは、ただ花が美しいと思って見ているよりも、その花の植物としての性質や生きる仕組みを知ると、一層驚きを深める。

We are more amazed to know how unique a flower is and how it lives than to only admire its beauty.

 

月でも星でも、雪のようなものでも同じである。

This is true of the moon, a star and something like snow.

 

大阪大学2009年

自信をもつ、ということは大事なことである。日常生活の上でもそうだが、スポーツやビジネスの世界においてもそうであろう。

It is essential to have confidence, not only in our daily lives but probably in the world of sports and business.

自信のある人は、人と接していても堂々としている。落ち着きがあるし、余裕もある。

Confident people are dignified even in public, keeping calm and quiet.

したがって、自然に相手にやさしくできるし、少々のことで腹を立てることもない。

This is why they behave kindly to others of their own accord and do not lose their temper for trivial matters.

対する人より自信がある分だけ大人としてふるまうこともできそうだ。

Because they have more confidence than others, they tend to have a mature attitude.

 

思い出とは不思議なものである。

Recollections are mysterious.

強烈な出来事だけが記憶として残るのかと思えば、どこでつけたか分からないひっかき傷のような些細なことが、忘れかけたころにふと思いだされる。

Not only vivid incidents are remembered. We suddenly recall trivial matters such as a scratch you have got somewhere when you have almost forgotten them.

それでなくとも五感に刻み込まれた記憶は、閉じ込めようとしてもなにかの拍子に触発されて、鮮やかに蘇ってくる。

Memories marked in the five senses, even if we try to close them up, are triggered by some stimulus, coming back vividly.

 

ゲーテの言葉、「ひとは解ることだけきいている」のように、人間はきき方が非常に下手である。

Goethe remarked, “People listen to only what they understand.” As he said, we are quite poor listeners.

講演でも講義でも、随分よくきいているつもりでも、ききもらし、きき流すところがある。

However carefully we listen to a speech or a lecture, we tend to miss a part and just listen and ignore it.

またきいたけれど、すぐ忘れてしまうところもある。

In addition, we are likely to forget soon after we listen.

きくことは大変にむずかしい。

Listening is extremely hard.

大阪大学2008年

日本語では、相手の意見に合わない、同意できない場合は、はっきりとはいわないで、少しお茶を濁したような言い方をする場合が多い。

In Japanese conversations, people frequently make somewhat ambiguous remarks instead of specific ones, even when they disagree with others.

相手の意見について反対するわけだが、その人の意見に対してというよりは、その人の人格そのものを否定しているととられるおそれがあるからである。

They do so because they can be thought to deny others’ characters rather than their opinions.

 

(パリの)ジョルジュ・プティの画廊で個展がひらかれた。画家と彫刻家との合同展。前者はクロード・モネ、後者はオーギュスト・ロダン。

An exhibition was held in the Georges Petit Gallery in Paris. Exhibited there were works by a painter and a sculptor, Claude Monet and Auguste Rodin, respectively.

このふたりの芸術家は、仲良しであった。

The two artists were on good terms with each other.

年齢もおなじく、48歳。というよりも、たった二日しか誕生日もちがわない。

They were of the same age, forty eight. Rather, there was an only two-day difference between their dates of birth.

けれども、ふしぎなことに、人間的な資質からいっても、また作品の調子からみても、かなりの距離がある。

It is strange, however, that there is quite a gap between them in both personality and style.

すでに作風を確立していたモネは、一見してわかるとおり、豊かな色彩によって、見るものに幸福感をあたえる。

Monet, who had already established his style, apparently enriches the visitors’ minds through his colorful paintings.

他方のロダンはといえば、人間の肉体に強烈なことばをあたえ、ひとを挑発してやまない。

On the other hand, Rodin conveyed his emotional messages using human bodies, continuing to provoke viewers.

これほどに異質なメッセージを体現しているのに、おそらくだれも違和感をいだかなかったにちがいない。

Despite such a huge difference between their artistic styles, probably no one must have had strange feelings.

計算されつくした構成美が、ふたりのあいだにハーモニーを奏でだすからか。

This is probably because of the elaborate architectural beauty playing harmonious melodies between the two artists.

 

謙虚になれ、ということを人びとは互いに教え合っています。

People tell each other to be modest.

しかしなかなかそのとおりの気持ちにはなり難いようです。

However, it seems difficult to try to be modest.

むしろ、自分が愚かである、欠点がある、力が弱い、という事実を直視することによって、人は、言われなくても謙虚にならざるをえないでしょう。

Rather, when they notice they are foolish, defective and powerless, they have no choice but to be modest.

そうしてその事実を直視することによって、本当の力が出てきます。

Then they can be powerful.

 

大阪大学2007年

ぼくが経験した限りでは、どんな楽しい夢でも、楽しい現実には遠く及ばない反面、悪夢のほうは、むしろ現実の不安や恐怖を上まわる場合が多いような気がする。

My experiences show that dreams are never equal to happy realities, however sweet they are, while nightmares are frequently more fearful and dreadful than realities.

たとえば、何度も繰り返してみた、いちばんなじみ深い夢は、ぼくの場合、笑う月に追いかけられる夢だ。

For example, the most familiar dream I have repeatedly had was one in which I was chased by a laughing moon.

最初はたしか、小学生の頃だったと思う。

I am sure that I first dreamt it as an elementary student.

恐怖のあまり、しばらくは、夜になって眠らなければならないのが苦痛だったほどだ。

I was so scared that, for a while, I had a hard time going to sleep at night.

 

井原西鶴の浮世草子の作品を思い浮かべてもよいが、大阪を中心とする上方文化には、現実的で経済性を重んじる気風があったのである。

As you may imagine from Ihara Saikaku’s stories of “floating world“, in Kamigata culture, which is dominant in and around Osaka, people valued practicality and economy.

また、閉鎖的な傾向のある市場の中で、日常的に無駄とも見える会話を重ねることを通して、商機をつかんでいくという商慣習もあって、おしゃべりを嫌わず、むしろ歓迎する気風も育っていたのであろう。

They had a business practice of trying to seize business opportunities through carrying an seemingly useless daily conversations in a market that tended to be exclusive. Probably, this was how the trend also developed to welcome idle talk rather than to reject it.

 

言語は、人間にのみ備わった能力である。

Verbal capability is blessed with merely human beings.

何か考えごとをするときに、私たちは常に言葉を使っている。

Whenever we contemplate something, we use language.

言葉はあまりにも身近にあるので、その存在を忘れてしまうことさえある。

Language is so familiar that we even forget its existence once in a while.

しかし、病や事故などで言葉に不自由を感じるようになって、初めてその存在の大きさに気づくことがあるだろう。

However, it is not until we find ourselves with some sort of speech impediment, whether caused by illness or an accident, that we realize its significance.

大阪大学2006年

私たちがことばで何かを表現しようとする場合、基本的には話すか書くかのどちらかになるが、話すときには相手の存在が直接意識されているのに対して、文章を書くのは一人きりの営みというイメージが強い。

Our verbal expressions are customarily given by way of either speaking or writing; while speaking raises the speaker’s consciousness on the other person, writing sentences gives the impression of being a solo work.

しかし、レポートであれ手紙であれ、私たちが何かを書くときには、意外に複雑な会話が行われている。なぜなら、文章を書くという行為には、誰かとの会話だけでなく、自己との対話がかならず含まれているからである。

When we write something, whether it is a report or a letter, we are conducting a more complicated conversation than expected, because the art of writing always involves talking to ourselves as well as to others.

 

日本人は、外国人たちが自分たちのことをどう見ているかについては、おおむね無知なまま過ごしてきた。

We Japanese people in general have been ignorant of [about] what other people view ourselves as.

その理由は簡単で、日本人が、外国語で書かれた日本についての書物を、なかなか読んでみようとはしないからである。

The reason is simply that Japanese people are reluctant to read foreign books on Japan.

日本のことについてなら、日本語で読めばよい。どうしてわざわざ英語で、あるいはフランス語で、辞書を片手に手間ひまかけて読む必要があるだろうか、というわけである。

They tend to think that all you have to do to know about Japan is read something in Japanese, and that it is a waste of time and effort to read books on Japan in English or French with the help of a dictionary.

 

あなたは右手あるいは左手のどちらかの手で字を書いているという単純な理由で、右利きとか左利きだとか思いこんでいないでしょうか。

Don’t you assume that you are right-handed or left-handed simply because you write letters with either your right or left hand?

しかし、たいていの人は、右利きと左利きの中間にいると言えます。これまでずっと右手で物を書いてきた人が、本当は、左手で用事を済ませていることの方が多いのに、それに気づいていないということも大いに考えられるのです。

We can say that most people are neither right-handed nor left-handed, but are somewhere in-between; probably people who have written with their right hand are really not aware that they use the other hand more often when they do something else.

大阪大学2005年

私たちは電話やファックスや電子メールで一瞬のうちに他人から連絡を受けることに慣れてしまったので、手書きのメモはかえって新鮮だ。

We have been so accustomed to getting calls, faxes, or e-mail that handwritten notes actually look novel.

誰かが時間や考えや努力をついやして、個人的な温かみを添えようとしたことが分かろうというものだ。

We can tell that it took a lot of time, careful consideration, and effort to add personal warmth to the notes.

 

そこで、自分の才能の芽を育てようと思えば、やはり本を読むことなんです。できるだけ広い分野で本を読む。

So, in order to develop your talent, you should read books, preferably as extensively as possible.

それも、早く読むよりはゆっくり読んで、その文章をしっかり受けとめることをしていけば、その人の人生にとって有効な才能として、言葉への才能が残っていく。

In addition, I advise you to try to keep the sentences in mind through slow reading rather than rapid reading. The experiences will grow in your talent for language which is beneficial to your life.

そして、ほかの分野に行っても、その人は魅力的な人になって、自分らしい人生をつくり出されるのではないかと思います。

I am sure that you will become attractive and lead your own life, even if you go into another field

 

最近にいたって、私は自分が余りにも物を知らなすぎることを、そしてまた、残念なことに余りにも多く誤って物事を知りすぎていることを痛感するようになった。

I have recently realized that I am too ignorant and that, unfortunately, I misunderstand too many things.

知らないことはご愛嬌だが、間違って知っていることはどうにも救いようがない。

While ignorance itself is a trivial matter, misunderstanding is altogether hopeless.

大阪大学2004年

海外で日本語を教えていて一番有り難いのは、学生の素朴な質問に触発されて日本語や日本人に関して教師のわれわれ自身が思いもかけない発見をすることである。

What makes me the happiest while I am teaching Japanese abroad is that my student’s simple questions cause me to make a discovery unexpected to ourselves regarding Japanese language and people.

 

偉大な思想家の思想を咀嚼するには、長期にわたる集中的な読書が必要である。

In order to appreciate great thinkers’ ideas, you need to read intensively for a long period of time.

その営みを支援するのに必要なのは、読解力よりはむしろ忠誠心である。知識よりはむしろ信念である。

It is loyalty rather than reading ability, and belief rather than knowledge that are necessary so as to support such a type of reading.

「偉大な思想家」とは「理解できること」よりも「理解できないこと」の方から読者が大きな利益を引き出すことのできる思想家のことである。

“A great thinker” means one who makes his or her readers draw more benefit through “ideas hard to understand” than “ideas easy to understand.”

 

人間の存在は記憶の堆積である。

Humans grow up with memories piling up in their minds.

経験したことも忘れてしまえば、体験しなかったに等しい。

Any experiences we have had, if forgotten, would be (worth) next to nothing.

あらゆる感覚、情念、思考を記憶にとどめて自由に引き出すことができたら、人生はどんなに豊かになるだろう。

How rich would our lives be if we could not only remember any senses, emotions and thinking but also draw them at will?

しかし、忘れるからこそすべてが新鮮で、発見や再発見の喜びがあるというのも事実だ。

However, it is certain that, just because we forget, we can feel everything fresh and take delight in discovering or rediscovering.

大阪大学2003年Ⅳ-(A)

この数年間、私の心を大きく占めたのは、「時間の使い方」ということでした。

How to spend time has occupied my mind for the last several years.

人間の一生というけれど、結局それは「今」という時間の集積ではないか。

Isn’t a human life, after all, the succession of the present moment?

充実した人生というのは、必ずしもその長さによるのではなく、密度の濃さにかかっているのではなかろうか。

Fulfilling live doesn’t necessarily depend on its length but contents.

そういったことにこだわったように思います。

I have strongly believed so.

時間の使い方は、そのまま、生命の使い方なのだ、私という人生の質は、それを形成する時間の質にかかっていると気づいたのは、やはり自分が、”残された”時間を考える年齢に達したからなのかもしれません。

Probably because I am old enough to care about the rest of my life, I realize that how to spend time means how to use life, and depends on the quality of lifetime.

 

日本人はきれいな発音の英語に固執しすぎるが、世界には聞いても理解しがたい英語もある。

Japanese persist in English pronunciation, but some people in the world speak English difficult to understand.

 

だがそれでも立派に通じる。

We can talk with foreigners even with such English

 

要は、話している内容に中身があるかどうかが大事なのだ。

In short, it is important that its contents be meaningful.

 

特に、会話が弾み、本当に複雑なことを伝えたいときには、いわゆる「英会話」の力よりも正確に読み書きできる英語の能力の方が問われる。

Especially when we enjoy talking and want to communicate really complex things, English literacy is more required than the ability to have so-called “English conversation”.

 

子どもの頃のわたしは本を読むことは好きだったが、定められた勉強は嫌いだった。

When I was a child, I like reading, but disliked regular studying.

 

そのことを、とても苦にしていた。

It was a painful experience.

 

どうやらいまだに自分は子ども時代の強迫観念からのがれられずにいるらしい。

Even now I am probably obsessed with the feeling.

 

そう考えると可笑しさがこみ上げ、それに誘われるように、長い間想い出すこともなかった子どもの頃の情景が次々に心によみがえってきた。

That makes me feel funny and reminds me of the scenes in my childhood which I have long forgotten.

 

そうした心象風景のひとつひとつは、不思議なくらいに書物の記憶と結びついている。

Each image is surprisingly connected to the memories of the books I read.

大阪大学2002年

コミュニケーションしている顔、これがいい顔の第一条件である。

Your face looks best when communicating with others.

写真を撮るときは、ただカメラに向かうのではなく、あなたの好きな人(恋人でもお孫さんでもいい)の顔を思い浮かべて、話しかけるような気持ちになるといい。

When you have your pictures taken, you should, rather than only face the camera, but make yourself feel as if you were speaking to your beloved person, such as your boy or girlfriend, or grandson.

そうすれば、いい顔に撮れる。

It can help you take good photos of your face.

 

英会話を学ぶときには、自分がどういう環境にいて、何のために学ぼうとしているかを考える必要があります。

When you are going to study English conversation, you should consider your situation and purpose.

世の中には、いやおうなしに英語を使って生きていかなければならない人もいます。

Some people are obliged to use English against their will.

会社からアメリカやイギリスに派遣された商社員などはその典型的な例でしょう。

A typical example is a worker at a trading company, dispatched to the U.S.A. or the U.K.

そういう人はのんきなことを言っている暇は無いので、ともかく英語を使いこなさなければなりません。

It is indispensable that they have a good command of English. They have no time to lose.

 

私たちは、ことばを使っていると、ことばというものがいろいろな意味で「力」を持っているということを経験すると思います。

Using words, we probably experience the power of words in many different senses.

人を喜ばせたり、悲しませたり、人の心を動かして何かをさせる—ことばには、このような力があります。

Words can please, hurt, and move us into doing something.

ときには、ことばの持つ力のほうが、肉体的な暴力よりも私たちをひどく傷つけるということすらあります。

The power of words can even hurt us more deeply than physical violence.

大阪大学2001年

虹にはいくつかの色があるかと日本人に尋ねれば、7に決まっているさという答えが返ってくるだろう。

If Japanese people are asked how many colors there are in a rainbow, they will confidently answer that there must be seven.

だが世界のいろいろな言語を視野におくと、この問いに対する答えは、実は思ったほど簡単ではないのである。

This question is harder to answer than people might think, considering many different languages in the world.

空にかかる美しい虹の色の数は言語により異なるのだ、ということを知っている人は今でも少ない。

Few still know that how many colors in a beautiful rainbow in the sky varies from language to language.

 

日記は他人に見せない。

You don’t show anyone your diary.

しいて読者がいるとすれば、書いた本人である。

There is no reader but yourself.

だれに向かって書くか、などということははじめから考える必要がない。

You don’t in the least have to think about who you intend it for.

いつも同じ調子で書けばよい。

You have only to keep on writing in the same pace.

それにひきかえ、はっきりした相手のいるのが手紙、葉書の文章である。

On the other hand, it is sentences in a letter and a postcard that are intended for other readers than the writer.

相手が変わる。

The readers vary.

それに合わせて一回、一回、違った書き方をしなくてはならない。

You need to change your writing style according to the variation.

いちいち装いを変えなくてはならない。やっかいと言えばやっかいだ。

Your style should be appropriate for each situation, which may be troublesome.

日記の書き方という本はないのに、手紙文の書き方がたくさんあるのは不思議はない。

No wonder there are no books about how to write a diary but a lot of books about how to write a letter.

 

友達を持つとき、次のことを考えたいものだ。まず一人くらい「冷たい友達を持つ」ことがだいじである。

The first thing to consider in having a friend is that you should have “a cold friend.”

困ったときに助けるのが友達であるが、ほんとうの友は、こきざみに助けるのではなく、だいじなときにだけ助け、ふだんは知らんふり。

A friend in need is a friend indeed, but a true friend is someone who does not always help you but only helps you in need and usually ignores you.

本人が自力できりぬけるよう遠くで見ていてくれるのだ。

From the distance he or she watches you getting trough life all by yourself.

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